
集計のたびに数字が変わる、顧客データが重複する。BIやデータ分析を依頼する前に、指標の定義・欠損・重複・更新・管理者を整理し、データ整備の発注範囲を決める方法を解説します。
データ分析を依頼する前に、見たい数字の定義と、その数字を作るデータの状態をそろえましょう。ダッシュボードの画面設計に進む前に、対象となる業務・データ・確認担当者を一つずつ決めておくと、整備が必要な範囲を説明しやすくなります。
この記事では、BIや分析基盤を初めて発注する企業向けに、For fが相談時のたたき台として提案する確認項目を整理します。特定の品質スコアを満たせば必ず成果が出る、という基準ではありません。
まず「何を判断するための数字か」を決める
たとえば売上を分析したい場合でも、受注時点の金額を見るのか、請求済みの金額を見るのか、返品を差し引くのかで集計条件が変わります。最初に「誰が、どの会議や業務で、何を決めるために使うか」を短い文章にしてください。
確認用の例として、「営業責任者が毎週、商品別の受注状況を見て翌週の対応を決める」と整理できます。そのうえで対象期間、税込・税抜、キャンセルの扱い、データの締め時点を決めます。これは指標設計の例であり、実在する企業の実績ではありません。
データ整備で確認したい5つの項目
| 項目 | 確認する内容 | 相談時に用意するもの |
|---|---|---|
| 定義 | 同じ項目名が同じ意味で使われているか | 指標名・計算条件・除外条件 |
| 欠損 | 必要な値が空欄になる場面は何か | 空欄を含む匿名化したサンプル |
| 重複 | 顧客や取引を区別するIDがあるか | IDのルール・統合前の一覧 |
| 更新 | いつの状態まで反映されているか | 更新時刻・締め処理・遅延の扱い |
| 管理 | 不明な値を誰が判断・修正するか | 業務担当者とデータ管理者 |
Google Cloudの自動データ品質のドキュメントでは、定義したルールでデータを検査し、結果の確認や監視につなげる仕組みが説明されています。空欄や重複などを検査するルールも用意されています。出典:Google Cloud「Auto data quality overview」
ただし、検査するルール自体は業務に合わせて決める必要があります。空欄がすべて誤りとは限りません。たとえば「まだ入力していない」「その取引では不要」「システム連携で欠けた」を同じ空欄として処理すると、原因の違いを見失います。
「全部きれいにする」ではなく、使う範囲を区切る
初回の依頼では、全社の全データを整備対象にするより、最初に確認する指標と、それに必要な期間・項目・システムを決める進め方をおすすめします。修正の必要性が分からない項目は、すぐに上書きせず確認待ちとして管理します。
- 元データを残す:変換や補正の前後が追えるようにする。
- 判断を記録する:統合した顧客、除外した取引、補った値の条件を残す。
- 担当者を決める:業務上の正しさを確認する人と、処理を実装する人を分けて整理する。
発注範囲の例は「対象データの一覧化」「品質上の課題の整理」「合意した変換処理」「集計結果の照合」です。画面制作を含むか、データ整備までかは、別の項目として見積もりに記載してもらいましょう。
納品時は、画面の見た目と数字の根拠を分けて確認する
確認に使う期間とデータを決め、集計値を既存の業務資料と突き合わせます。差があった場合は、集計の締め時点、除外条件、元データの更新状況を順に確認します。どちらの数字が正しいかを、その場で推測して決めないことが大切です。
納品物には、データ項目と集計条件の説明、更新方法、問題発生時の確認先も含めると運用を引き継ぎやすくなります。高度なツールを選ぶ前に、説明できる数字を作ることを優先してください。
よくあるご質問
Excelに分かれているデータでも相談できますか?
はい。ファイルの種類、管理している担当者、更新方法から整理できます。共有前に機密情報や個人情報の扱いを確認し、必要な範囲のサンプルを用意してください。
品質チェックのツールを入れれば整備は完了しますか?
ルールの実行と、業務上の意味を決める作業は別です。どの値が必要か、例外をどう扱うか、誰が修正するかまで含めて検討しましょう。
分析基盤の構築から依頼する必要がありますか?
まず対象データと課題を整理し、必要な範囲を検討できます。For fのデータ基盤・分析では、現状と目的に合わせたご相談を承ります。
FOR F / NEXT STEP
分析に使うデータの整理から、ご相談ください。
For fでは、現状の課題から対象範囲・成果物・進め方を整理してご提案します。資料が揃っていない場合も、現在分かっていることからお聞かせください。
参考資料・情報確認日
情報確認日:2026年9月7日。以下の公開資料を確認し、発注前の整理方法や例はFor fの解説として記載しています。製品機能・条件は利用時に最新の公式資料で確認してください。サムネイルはAI生成による概念ビジュアルで、実際の画面・帳票・測定結果ではありません。
